重力理論研究室(CGグループ)

  • 宇宙における中性子星やブラックホールなどの強重力天体の発見、インフレーションモデルの登場による宇宙論の新展開、及び、重力などすべての基本的相互作用を統一する理論の構築を目指す素粒子論の野心的試みというような最近の研究の動向は、一般相対論を中心とする重力理論の研究の重要性を飛躍的に増大させた。物質が示す種々の物理現象は時間、空間という器の中で生起される。重力場の存在はその器の形状を変化させることによって、物理現象に興味深い影響を及ぼす事ができる。本研究グループは重力相互作用の多様な特質を解明することを基礎としつつ、素粒子物理と宇宙物理の境界領域として独自の研究分野を開拓してきている。
  • 1) 時空のダイナミクスと量子化: 重力崩壊や宇宙のビッグバンなどのように、物質が激しく運動している場合には、その重力場(時空)のダイナミカルに変動していく。

    例えば図に示されている様に、空間に虫食い穴(wormhole)が形成されたり、その一部が分離したりすることが起きる。このような時空のダイナミクスを総合的に研究していくと共に、それと関連する 重力場の量子論の開発にも取り組んでいる。そして、ブラックホールの量子的蒸発や 量子宇宙の初期条件という問題に対する 適用を試みている。

    2)ブラックホールの天体現象: 活動的銀河のような活発な現象を示す天体の中心部には巨大な質量のブラックホールが存在していると予想されている。その周辺部には多量のプラズマが集積しており、強重力の影響の下でX線放出やジェット流噴出を引き起こしている。このような天体の活動性における一般相対論効果の機能を明確にし、観測との比較によってブラックホールの存在と役割を検証する。

    3)宇宙の大規模構造: 銀河、銀河団、超銀河団は宇宙初期に存在した物質分布の非一様性の進化によって形成されたと考えられている。宇宙における初期揺らぎの起源、及び、重力相互作用によるその進化の過程を明らかにしていく。観測衛星の打ち上げなどにより、宇宙初期に関するデータは急速に蓄積されつつある。このような観測論的宇宙論の発展、特に、宇宙背景輻射の非等方性の観測結果を踏まえ、物質の密度揺らぎ、宇宙背景重力波、宇宙初期の量子状態などについての研究を進展させていく。

    本研究グループは、現在、教授1名、助教授1名、大学院生7名で構成されており、ほぼ毎週開催されるセミナーによって研究情報を相互交換している。